目次
はじめに
Steamでゲームを出す人々が、遅かれ早かれ通る道。
それが Steamworks です。
その登録は、雨上がりの水たまりを避けるみたいに――
ちょいちょいっと軽やかに進むはずだ、と私は思っていました。
ところが現実は(というか私の場合は)、ぬかるみでした。
この記事は、そんな私が Steamworks 登録の 『ぬかるみ』 を一つずつ抜け出していった記録です。
一部イレギュラーなケースもありますが誰かの参考になれば幸いです。
結論だけ早くおしえろという映画を倍速再生されるような方は、上部リンクのまとめから結論をご確認いただけます。
※本記事の公開日は2026年2月24日です。
皆さんが読む頃には水たまりの一つ無い、快適な地面が広がっている可能性もあります。
本記事はあくまで参考として Steam Support や Tax Identity Solutions などを活用し最新の情報をご確認の上、判断してください。
第0章:門の前でつまずく。「自分のSteamworks が作れない」
まず私は「自分のゲームは自分のパートナー(組織)で出すんだな」と理解し、
勢いよく Steamworks にサインインしました。
partner.steamgames.com


パートナーID.....?
この画面は自分のダッシュボードじゃない!!
何が起きていたのか
過去に別のSteamworksパートナー(組織)でチーム制作をしていました。
この時、私は 招待ユーザー として参加していました。
▽招待を受けた時のメール

この招待ユーザーとして受けるときに自分のSteamアカウントと紐づきます。
つまり、Steamアカウントでログインすると自身のSteamworksではなく直接組織のSteamworksに移動してしまう という現状に陥りました。
(UIでは理由がほぼ分からないので、気持ちよく迷子になれます)
▽この画面から

▽ログインするとこの画面になる

ここで私は叫びます。
「助けて Steam Support」と。
この章で分かったこと:招待ユーザーとして別組織に紐づいていると、ログイン直後から自分のSteamworksではなく「その組織の画面」に飛ばされることがある。
第1章:助けて Steam Support
立ち止まってもしょうがないので、原因を探るべく Steam Support に問い合わせました。

質問
現在 Steamworks パートナーに
招待ユーザーとして参加していましたが、
並行して個人でゲームを配信するため、
新しい Steamworks パートナーを作成したいです。
この Steam アカウントで
新規パートナー作成を有効化していただけますか?
回答
(翻訳)
こんにちは、ご連絡ありがとうございます。
既存のパートナーアカウントに登録済みのアカウントでは、Steam Directへの新規登録はできません。以下の2つの選択肢があります:
選択肢1.
このパートナーグループのメンバーに、現在のSteamアカウントをパートナーグループから削除するよう依頼してください。その後、その既存アカウントでSteamworksパートナーとしてオンボーディングできます。現在のパートナーの継続的な参加が必要な場合、オンボーディング完了後に管理者が再度追加できます。
選択肢2.
新しいSteamユーザーアカウントを作成し(同じメールアドレスを使用可)、そのアカウントでSteam Directに登録してください。新しいパートナーアカウントの設定とオンボーディングプロセスが完了したら、現在のユーザーアカウントを新しいパートナーに招待できます。1つのユーザーアカウントが複数のパートナーアカウントに属することは問題ありません。
最も簡単な解決策はオプション2です。オンボーディングプロセスはこちらから開始できます:
https://partner.steamgames.com/steamdirect
ご質問があればお知らせください。
よろしくお願いします、
ニコライ
ニコライありがとう
つまり、選択肢は以下の二つです。
・所属している組織から脱退するように管理者に言ってね。
・新規アカウントを作ってね。
うーーん、悩みました。
一番やりやすいのは新規アカウントの発行です。
なぜなら、所属している組織からの脱退は、組織のダッシュボードに入って自分自身をリストラする、もしくは管理者に蹴ってもらう、ということです。

これをすると組織の誰かに再度招待してもらわない限り戻ることができません。
幼少期からクラス一丸を叩きこまれる、我が国ニッポンでそんなことをしたら、
村八分どころか島流しを自ら選ぶということになります。
とはいえ、アカウントを作りまくるのも管理がややこしい、、
そこで、恥を忍んで、組織の人間に「必ず戻ってくるから」と伝え、
一時的に組織を抜けることを選びました。

(のちに自分も管理アカウントでログインできることが分かったので、この時の覚悟は特に不要だったのは、また別のお話)
この章で分かったこと:招待ユーザーのままだとSteam Directの新規登録に進めない(「一時的に抜ける」か「別アカウント」かの二択が提示される)。
第2章:ついにやったぞKYC提出。
さて、無事セルフリストラを完遂できた私は、
念願の登録画面に遷移することができました。
今までの苦労は何だったんだというくらい、あっさりと。

partner.steamgames.com
さて、登録を進め、KYC(本人確認)に到達します。
提出する身分証は、日本の運転免許証。
ここまでは、まだ空は明るい。
この章で分かったこと:入口さえ正しければ、登録フロー自体は驚くほどサクサク進む。
第3章:暗雲立ち込めるリジェクト。…そして“理由が見えない”
提出後、エラーでリジェクトされました。
まあ、ここまでは分かる。よくある。
問題は次です。
「リジェクト理由を見よう」と思ってダッシュボードから詳細表示を開いたら――

このページは閲覧できません
え?

リジェクトされたのに、理由が見えない。
指示が読めない。次にやることが分からない。
こっちは登録料14,300円払ったんだぞ(泣)
1日漬けましたが、表示が変わることはありませんでした。
この章で分かったこと:KYCがリジェクトされても、理由ページがすぐ見えるとは限らない(しかも見えないと何も進めない)。
第4章:(再)助けて Steam Support
ここで私は再度 Steam Support に問い合わせました。

質問
(翻訳)
Steamから税務情報の確認に関するメールを受け取りました。しかし、申請したアカウントでログインしても、該当ページが見つかりません。どうすれば良いか教えていただけますか?
回答
(翻訳)
こんにちは、
お問い合わせいただきありがとうございます。チームに連絡済みで、現在調査中です。修正は間もなく行われる見込みですが、具体的な時期については現時点ではお伝えできません。
よろしくお願いいたします、
コナン
名探偵でも分からないなら待つしかない。
待つ。
Steamworks登録で「待つ」が出てくるとは思いませんでした。
でも、ここは待つのが正解でした。
この章で分かったこと:理由ページが見えない系は、問い合わせても「調査中→修正待ち」になりがち。結局、待ちが効くことがある。
第5章:見えるようになった。原因は“英語表記の氏名”
時間を置いて確認すると、ようやくリジェクト理由が表示されました。
そこに書かれていたのはこれ。
(翻訳)
すでに提出済みの身分証明書に記載されている正式な氏名の英語訳を提出してください。
書類の提供
必要書類を提出する最も早い方法は、こちらのDropbox™ファイルリクエストに安全にアップロードすることです。このリクエストは30日以内に完了する必要があります。
30日を過ぎるとリンクは無効になります。
このアクションアイテムは、税務ベンダーがお客様の書類を確認し承認するまで、ダッシュボード上でアクティブのままとなりますのでご注意ください。
書類の承認プロセスには通常2~7日かかります。
Tax Identity Solutions さんからのリクエストです
パスポートもって無い~~
はい、来ました。日本の運転免許証あるある。
免許証やマイナンバーカードは日本語が基本。
英語表記はない。
つまり、登録したローマ字名と本人確認書類は日本語で、
どうなってるんだいといわれる始末。
しょうがないじゃない。いろんなサイトでローマ字で登録しろって書いてたし、、
ただ、唯一持っている英語表記の入ったもの、
そうだ、クレジットカードだ。
セキュリティーコード隠してもいいはずだよね?そうだよね?
チャッピーに聞いてみた。返ってきたのは「たぶん大丈夫」みたいな曖昧さだった。今ほしいのは “たぶん” じゃない。
困ったら問いあわせするのが一番
この章で分かったこと:日本の免許証は英語表記がないので、「英語表記の氏名確認」で止まりやすい。
第6章:クレカでいいのか?(Tax Identity Solutions への質問ルート)
クレカを送ったら許してくれるのかを聞くために、再度 Support に問い合わせようとしたところ、以下の表記が。

(翻訳)
このヘルプリクエストを作成できません。選択したSteamworksパートナーアカウントのメンバーではないためです。
これは、Steamアカウント側のサポートから申請しようとして起こっていたみたいです。

正しくは、ダッシュボード → 税務情報の修正 の↓のボタンからやらないといけないとのことでした。(このページが初見過ぎて見逃していた。)

質問
Hello,
I am currently proceeding with Steamworks registration using this account.
I would like to ask about the KYC (identity verification) process for Steamworks registration.
I have already submitted my Japanese driver’s license (issued in Japan) and completed the KYC submission.
However, the verification has not been approved because the English spelling of my legal name could not be confirmed, as Japanese driver’s licenses do not include Roman character name spellings.
As a possible solution, would it be acceptable to submit a single photo that includes:
- My Japanese driver’s license, and
- A credit card showing my name in English
(with the card number and security code fully masked)
Please note that I do not have a passport or any other government-issued ID that includes my name in English.
(翻訳)
こんにちは。
現在、このアカウントにて Steamworks の登録手続きを進めております。
Steamworks 登録に必要な KYC(本人確認)手続きについて確認させてください。
日本で発行された運転免許証を提出し、KYC の提出は完了しておりますが、
日本の運転免許証にはローマ字(英語)表記の氏名が記載されていないため、
正式な氏名の英語表記を確認できないという理由で、現在この確認は承認されていない状態です。
その代替案として、
・日本の運転免許証
・英語表記の氏名が確認できるクレジットカード
(カード番号およびセキュリティコードは完全にマスキング)
を、1枚の写真に一緒に写したものを提出する形で問題ないでしょうか。
なお、英語表記の氏名が記載されたパスポートや、その他の政府発行の身分証は所持しておりません。
この章で分かったこと:問い合わせ窓口を間違えると「メンバーじゃないので作れない」が出る。正しい導線はダッシュボードの税務情報側。
第7章:指示は短く、強い。「クレカは送るな」
KYC委託先の Tax Identity Solutions からメールが届きました。
ここから先は、Steamworksの画面よりこのメールが主役になります。

メールの核心はこれでした。
クレジットカードを送らないでください - この情報を絶対に共有しないでください
ありがとうございます
短い。強い。迷いがない。
「英語表記の名前を送れ」
「クレジットカードは絶対送るな」
なるほど。ここまで来たら、もう余計な工夫はいりません。
聞かれたことだけ返す。それが最短です。
(『クレカ送るな。絶対共有するな。ありがとう。』ありがとうの位置が強すぎて、ちょっと笑ってしまった。)
この章で分かったこと:クレカ提出は明確にNGと言われることがある。求められているのは「英語表記の氏名そのもの」。
第8章:直接メールに返信(添付なし)
私はメールに、添付なしでこう返信しました。

Hello,
Thank you for your message.
My legal name is written in Japanese as:
(日本語で名前)
The official English (Romanized) spelling of my name is:
(ローマ字で名前)
Thank you for your assistance.
Best regards,
(翻訳)
こんにちは、
ご連絡ありがとうございます。
私の正式な日本語表記は次のとおりです:
(日本語で名前)
公式の英語表記(ローマ字表記)は次のとおりです:
(ローマ字で名前)
ご協力に感謝いたします。
敬具
以上。余計な情報なし。
クレカなし。免許証再送なし。
“指示された最小単位”で返す。
この章で分かったこと:一番強いのは「聞かれたことだけ、文章で返す」
添付も盛らない。
第9章:ぬかるみからの脱出
後日届いたメール

こんにちは、
お客様の税金および本人確認情報(KYC)は検証済みです。追加の対応は不要です。追加のご質問がない限り、このチケットへの返信はお控えください。お客様のチケット○○はクローズされました。
翻訳をありがとうございました。
シェリル
――ついにやった。やってやった。
ここでようやく、乾いた地面に戻れました。
最終章:後日談
自分の組織を作ったあと、再び組織に再加入しました。
すると、ダッシュボードの右上から、あの時は表示されなかった、
組織の切り替えという文字が。

無事に自分や他の組織の切り替えができるようになったのでした。

おしまい
まとめ(結論)
最短ルート:招待ユーザー問題を片付けたら、KYCは「英語(ローマ字)表記の氏名をメールで返す」だけで通った(クレカは送るな)。
- Steamworksは“Partner権限”の世界。Steamにログインできても、できることは組織権限で変わる
- 自分の組織を持たずに、招待で組織にいる場合は、一回抜けて登録するか別アカウントを作る(Steam Supportの案内に従う)
- KYCがリジェクトされても、理由のページが一時的に見られないことがある(時間で解消する場合あり)
- 日本の免許証だと 英語表記の氏名 で止まりやすい
- 最短ルートは、Tax Identity Solutionsのメール指示に従って、英語(ローマ字)表記の氏名を文章で返す
- クレジットカードは送らない(明確に禁止される)
最後に
Steamworks登録は、書類の難しさというより、
組織/表示/英語名で人を転ばせてくるタイプの罠でした。
もし今、あなたが同じぬかるみに片足を突っ込んでいるなら、
まずは深呼吸して、メールを読み、聞かれたことだけ返してください。
それがいちばん早く抜ける道でした。
UE4 / UE5 や Steam 向けの記事を書いています。
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